アシアト。

心の赴くままに

「GHOST」

シアタークリエで上演されていたミュージカル「ゴースト」を観に行ってきました。

原作を見る時間がなかったために予備知識ほぼゼロで行きましたが、何の問題もありませんでした。

3歩歩いたら忘れるぐらい記憶力がよろしくないので覚えているうちにストーリー書き出していったら思ってた以上に長くなっちゃって驚きました(笑)

 

【ストーリー ※一部うろ覚え】

 

主人公は銀行員のサム(浦井健治さん)。彫刻家のモリー秋元才加さん)と長らく交際していて、ブルックリンに引っ越してくる。引っ越しの手伝いに来ているカール(平間壮一さん)は、サムの同僚でモリーとも仲がいい。

サムとモリーは愛し合っているが、サムはなかなか「愛してる」と愛の言葉を言ってくれず、モリーは不満に思っている。サムはキスをしたり歌を歌って彼女の気をそらせていた。

ある夜の日、外食中にモリーはサムに結婚しようと伝える。「そんな話したがらないのに」と驚き、戸惑うサム。彼は行動で示しているからと言葉で愛を示そうとしない。その帰り道に、二人は強盗に襲われてしまう。

強盗はサムに財布をよこせと要求するも、彼は屈することなく戦う。しかし、強盗が持っていた銃で不幸にも撃たれてしまい、そのまま死んでしまう。

ゴーストとなったサムは、自分の亡骸の隣で泣いているモリーを見て愕然とする。状況を受け入れられなかったが、他のゴーストによってなんとか理解しようとする。

一方、モリーはサムを失った悲しみから外にも出られなくなる。彼の遺品を整理しにカールが来てくれるも、なかなか捨てられない。カールはモリーとの距離を縮めていく。その様子を複雑な気持ちで見るサムだが、二人には彼の姿は見えていない。

モリーがいなくなった隙を狙って、サムを殺した強盗が家に入ってくる。必死に食い止めようとするが、物に手を触れることができないサムは何もできない。その間にモリーが帰ってきてしまったが、間一髪のところで助かる。サムは強盗を追う。途中、地下鉄でゴーストにしてものを操る男に出会い、強盗を見失いそうになったがなんとか家を特定する。強盗の名がウィリー(松田岳さん)で、彼がまたあの家に行こうとしていることを知ったサムは、どうにかしてモリーにこの事を知らせようとする。

そんな時、サムは霊能者のオダ・メイ(森公美子さん)に出会う。彼女はどう見ても偽物だったが、奇跡的にサムの声を聞き取れた。この時、彼女の才能が開花したのだ。オダ・メイを脅して自分との通訳を頼み、モリーの元を訪れたがなかなか信用してもらえない。しかし、サムしか知らない情報をオダ・メイが話したことでようやく家に入れてもらえるようになる。自分が計画的に殺害されたことを警察に言ってほしいとサムはモリーに伝える。

その後、彼女はカールにこの出来事を相談するも、カールは信じず、警察にいっても取り合ってくれないからやめておけと止める。しかし、モリーはそれを振り切って警察へ行った。カールはウィリーの元へ行き、どうして情報が漏れたか責める。カールとウィリーはグルだったのだ。自分はカールによって殺されたのだと知ったサムは、彼への怒りが収まらない。

警察へ行ったモリーだったが、オダ・メイに前科があったこともあり、なかなか取り合ってもらえない。オダ・メイが詐欺師だと知ったモリーは、失望して家に帰る。ラジオを聴きながら作品を作っていたが、チャンネルを回していると、サムが昔歌ってくれた歌が流れていた。一旦消すもまたつけて作業を続けるモリーを背後から見守るサム。しかしモリーがサムの気配を感じるのと同時に、カールが家へやって来る。悲しんでいるモリーを慰めようと彼女に接近するカール。あと一歩のところで写真たてが倒れ、我に返ったモリーは帰るようにカールを促す。

モリーを守るためにも、物を操る能力がほしいと思ったサムは、地下鉄で出会ったゴーストに会いに行き、やり方を覚える。

再びオダ・メイの力を借りようと彼女の元へ行くと、多くのゴーストが彼女の力を借りていた。サムがいるときにウィリーが彼女の店へやって来て、命を狙われる。しかしサムが覚えたばかりの力を使って助け出す。怯えたウィリーは焦って道路へ飛び出し、はねられて死んでしまう。ウィリーはサムの姿が見えるようになったがそれもつかの間、黒ずくめの集団によってウィリーは連れ去られてしまう。

その頃、カールはサムのお金を使って麻薬密売人にお金を横流ししようとしていたため、サムは食い止めようと計画をオダ・メイに話す。サムは彼女に偽名を使ってもらい、カールが不法にしようしていたアカウントを解約させた。また同時に、カールの元へ行ってポルターガイスト現象を起こして彼を脅す。怯えたカールは、止めないとモリーを殺すと脅してくる。

計画によって1000万ドルの小切手を手にしたオダ・メイは大金に目が眩むが、サムの願い通り教会に寄付させる。そしてモリーの元へ行き、事の顛末を話そうとする。オダ・メイへの信頼を失ったモリーは彼女の話を聞こうとしないが、彼女が身につけているものや手紙について話し始めたことから、再び信用するようになる。しかしサムの気持ちを伝えている途中、カールが家へ入ってきて小切手を出せと脅す。争いの末、焦ったカールは階段から落ちて死に、ウィリー同様連れ去られてしまう。

モリーを守ることが出来たサムに、同時に天国からの迎えがくる。辺りが光輝くなか、モリーとオダ・メイにもサムの姿が見えるようになる。サムはモリーへ愛の言葉を伝えて、天国への階段をのぼっていった。

 

【感想】

フライヤーを始めて見たときから、この作品は観たら泣いちゃうやつだと覚悟はできていたものの、案の定ラストは泣きっぱなし。

「愛してる」となかなか言わなかったサムが最後ようやく言ってくれたときになんで今まで言ってくれなかったの!!!と改めて思った。言葉<態度で愛を示すタイプだからなのは納得いくが、別に言葉で愛を示してあげてもいいのに、と最後までモヤモヤした。結局は照れで言えなかったのか…?

本編でずっと感じてたのが、カールの悪者感がすごく好きだということ。本当はサムを殺すはずじゃなかったのにエスカレートして結局自分が地獄へ連れていかれてしまう。悪いのはカールだから仕方ないのだけれど、最後まで足掻く姿を見てると何でだか救ってあげたくなってしまった。親友を裏切ってお金を盗り、自分の罪を正当化し、あわよくば彼女まで取ろうとしていたひどい奴なのに。事件の前まで本当にサムとカールは仲良しで(今となるとどこまで本当だったのやら)、二人がエレベーターの中でイタズラするシーンはかわいい…とため息をつきそうになりました。あとアドリブなのか、途中平間くんが浦井くんに向かって「皺数えないで!!」って言っているのがすごくすごく好きでした。平和かよ~~~!!!

あとはサムとオダ・メイはやりとりが多いから、二人の関係性を面白かった。たまに入れてくる二人のアドリブで物語に緩急がついているのかなとも思った。

音楽に関しては、オダ・メイが出てきた瞬間世界が変わった。今までモノクロだった世界がカラーに変わったぐらいの衝撃。とても面白かったし、聴いていて心地よかった…。あとは物が操れる地下鉄のゴーストによるラップ。いろんなエネルギーを集中させるんだとタップダンスしながらラップして伝えている姿にものすごい生命力を感じた。自分にはあそこまでの生きる力が、生きたいという思いがあるだろうか。改めて生きていることの素晴らしさを感じさせられたように思う。

 

本編とは逸れるけど、カテコの間にサムとモリーの歌が挟まれててそれもまたよかった。

あともっと逸れるけど、幕間で食べたたまごサンドが美味しかった。辛子の量が絶妙。またいつか食べたいな!!!